活動の趣旨・項目

地下岩盤で展開される複雑な連成現象に対する数値解析は、安全で効率的な地熱資源・シェールオイル・シェールガスの回収や高レベル放射性廃棄物地層処分の安定的運用などの様々な工学的課題に広く資する技術であり、その高度化は岩盤力学の発展に不可欠なものである。またそのためには、岩盤連成解析に関する研究参画を通じて、岩盤に関わる連成現象やそれを合理的に解く数値解析技術等に精通した次世代の岩盤力学技術者を育成していくことも重要となる。
岩盤連成解析の高度化に資する協同的取り組みとしては、DECOVALEX (DEvelopment of COupled models and their VALidation against Experiments)が先行的に実施してきているものの、日本国内では未だその様な流れはない。したがって、この様な現況を改善し日本における岩盤連成解析技術の高度化基盤を構築することが求められる。その第一歩として、本小委員会では、日本国内の技術者・研究者が協同して連成解析に関する以下の①~③の項目について取り組む。なお、次世代の岩盤力学技術者の育成という観点から、若手や女性の技術者・研究者中心のチームを構築する。

① 最新の研究動向調査(AI、デジタルツイン、データ駆動モデリング、大規模計算、マルチフィジクス・マルチスケールなど)
② ベンチマークテスト収集(例:地層処分、地熱、CCS)とそのデータのオープン化
③ ベンチマークテストに対しての参加者による一斉解析の実施

活動期間

2023年7月 ~ 2026年3月

委員構成

安原 英明 京都大学大学院工学研究科都市社会工学専攻 小委員長
福田 大祐 北海道大学大学院工学研究院 環境循環システム部門 幹事長
緒方 奨 大阪大学大学院工学研究科附属フューチャーイノベーションセンター 幹事長補佐
橋本 涼太 京都大学大学院工学研究科社会基盤工学専攻 幹事長補佐
愛知 正温 東京大学大学院新領域創成科学研究科環境システム学専攻
青柳 和平 日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センター
赤木 俊文 大成建設株式会社
石橋 琢也 産業技術総合研究所 福島再生可能エネルギー研究所
ウラノヴァ エカテリーナ(Ulanova Ekaterina) 株式会社安藤ハザマ 建設本部 土木設計部 高度解析グループ
尾崎 裕介 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センター
菊本 統 横浜国立大学
清水 浩之 鹿島建設株式会社 土木設計本部 解析技術部 地盤解析グループ
清水 麻由子 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構核燃料・バックエンド研究開発部門地層処分研究開発推進部 研究計画推進課
鈴木 杏奈 東北大学流体科学研究所
千々松 正和 株式会社安藤ハザマ
陳 剣 清水建設(株) 技術研究所
塚田 泰博 株式会社安藤ハザマ 建設本部 土木技術統括部土木設計部 高度解析グループ
中岡 健一 大林組技術研究所地盤技術研究部
西本 壮志 一般財団法人電力中央研究所サステナブルシステム研究本部 地質・地下環境研究部門
三好 貴子 京都大学大学院工学研究科都市社会工学専攻
渡邉 教弘 国立研究開発法人産業技術総合研究所 再生可能エネルギーセンター地熱チーム

活動概要

① 最新の研究動向調査(AI、デジタルツイン、データ駆動モデリング、大規模計算、マルチフィジクス・マルチスケールなど)
② ベンチマークテスト収集(例:地層処分、地熱、CCS)とそのデータのオープン化
③ ベンチマークテストに対しての参加者による一斉解析の実施

上記①~③の項目について、2つのWGを設置し、検討を行う。

 

【WG1】レビュー論文WG

日本国内での取り組み(地層処分や地熱発電などの主要な実問題毎に連成プロセスに関する解析や室内・原位置試験等)をレビューする。レビュー結果を取り纏めてジャーナル論文等に投稿する。

 

【WG2】一斉解析WG

地層処分や地熱発電などの課題について、複数のグループで一斉解析を実施し、その成果を比較検証する。最終的には全体の成果を取り纏めてジャーナル論文等に投稿する。

 


委員会報告

岩盤シンポ連成小委員会報告_令和6年6月11日